契約妻ですが、とろとろに愛されてます
持っていた箱が潰されそうになって渡すプレゼントを思い出した。


「琉聖さん、たくさんのプレゼントありがとう これ……私からのプレゼント……」


琉聖さんから少し離れて、持っていた箱を琉聖に渡す。


「プレゼント?いつ用意したんだ?」


「佳代子さんに材料を買ってきてもらって……」


「材料?なんだろうな」


「それは開けてみてからのお楽しみだから言わない」


「開けるのが楽しみだ 嬉しいよ 座ろう」


琉聖さんは私からのプレゼントを片手に、もう片方の手は私の肩に置いてソファに促した。


隣に座った琉聖さんは嬉しそうに緑色のリボンの結び目を外している。そして箱を開けると、信じられないと言った表情で私を見た。


「これはもしかして、手編み?」


「目が不揃いだからわかっちゃったね?時間がなくてアイロンをかけられなかったの」


「いつの間に編んでいたんだ?無理はしなかっただろうね?」


首を横に振った。


「編み物をしている時、とても幸せ感があって……琉聖さんの喜んでくれる顔も想像したりして……充実していたの 何でも持っているからプレゼントはとても悩んで……」


目が覚めた時に感じた頭痛はごく軽いものだったのに、今は酷くなってきていた。


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