契約妻ですが、とろとろに愛されてます
琉聖Side


俺が額に手を置くと、気持ち良さそうに口元に笑みを浮かべ柚葉は眠りに落ちた。


ふっと寝てしまった柚葉が心配になる。


もう二度と目を覚まさないのでは……と。


片時も柚葉の側を離れたくない。


数日前に柚葉がこん睡状態に陥った時、なぜ側についていてやらなかったのだろうと後悔した。


ドナーが見つからず、柚葉が逝くことになっても最後まで側にいなくてはならないんだ。


病室につめる俺を心配してお袋は佳代子さんに作ってもらった弁当を毎日届けに来る。


そんな面倒はかけたくないのだが、お袋なりの心配なのだろう。


今日もお袋が弁当を持って病室に現れた。


柚葉は眠っていた。


「ひどい顔ね?寝ていないの?……貴方が倒れたら柚葉ちゃんは悲しむわよ?」


「わかっている 大丈夫だから俺の心配はしなくていいよ」


「柚葉ちゃんは落ち着いているの?」


お袋はテーブルに紙袋を置くと、ベッドに近づき青白い顔で眠っている柚葉の顔を見る。


「ああ……今の所は安定している」


「良かったわ……じゃあ、行くわね……しっかり食事を食べるのよ?」


俺の肩にそっと手を置いてからお袋は出て行った。


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