契約妻ですが、とろとろに愛されてます
その後、容態は小康状態を保っていた。


私が心配な琉聖さんは会社を休みずっと側にいてくれた。


私は自分の命がもう風前の灯ということはわかっていた。


苦しすぎるの……。


早く逝きたい……。


そう思ってしまう。


あとどのくらい生きるのだろうか……。


逝く私も、残る琉聖さんも今のままでいるのが一番辛い。


だけど、そのことは何も触れずに琉聖さんに接する。


死ぬ人間と直面しているのって辛いと思う。


それでも側にいてくれることが嬉しい。


******


深夜に目を覚ましてしまった私は頭を少し動かし琉聖さんを見つける。


いつもの場所に彼はいた。


「静かだね……」


「柚葉、どうした?真夜中だぞ?」


真夜中なのに、ノートパソコンに向って仕事をしていた琉聖さんがベッドに近づいてきた。


「ん……なんとなく目が覚めちゃった」


琉聖さんの手がナースコールボタンに伸びる。


「大丈夫だよ……」


琉聖さんに安心してもらえるように微笑む。


最近は以前にも増して身体が思うように動かない。


琉聖さんは私の熱を確かめた。


「少し熱がある」


「そうかな……」


ヒンヤリした琉聖さんの手が額に置かれると気持ちが良い。




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