契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「指輪もすごいのね?とても高そうだわ」


食事をしている時は勇気が出なくて指輪を外していた。この件を話す前に左の薬指にはめた。


それをお姉ちゃんは目ざとく見つけた。さすが、女ってすごいなと思う。


「うん、すごいでしょう?貰った時あまりにも高価な指輪だからどうしようって思った」


お姉ちゃんに貰った指輪を見せる。


一緒に買いに行ったと言うより、彼が選んだ指輪を貰ったと言った方が真実味があるような気がした。


「ハート形のダイヤ……大きいわね」


指輪を見てお姉ちゃんが感嘆のため息を吐いている。


「ゆず姉、玉の輿ジャン」


お金の問題が解決して気持ちが楽になったらしい。慎が軽口を叩く。


お姉ちゃんもなんだかんだと言いつつ、これで解決するのを喜んでいる様子。


ふたりになんとか信じてもらえて安堵した。


安堵した反動かどっと疲れを感じた。


答えられない質問をされたら困る。


お姉ちゃんたちにこれ以上色々と聞かれないように私は早々に居間から引き上げた。


ベッドにコロンと寝そべると、あっという間に瞼が落ちてくる。私は一分も経たないうちに眠りに落ちていた。


******


たっぷり寝たはずなのに、目覚めると倦怠感があった。身体は筋肉痛のような痛みで悲鳴をあげている。


不恰好な動きでなんとかキッチンに降りると、食事中の慎がいた。


「おはよう ゆず姉 顔色悪いけど大丈夫?」


トーストを食べていた手を止めて、私の顔を見た慎は眉を顰めている。


「まだ お化粧していないせいじゃない?元気だよ」


パンをトースターに入れ、大きなカフェオレボールにたっぷりのカフェオレを注いだ。


土日が忙しいデパートに勤めているお姉ちゃんはすでに出かけている。


マーガリンを塗ったトーストをカフェオレで胃の中に流し込む。


食欲も思ったほどなく、カフェオレだけにすれば良かったとトーストをかじりながら思う。


今日は日曜日だけど、どこかへ出かける予定はない。


琉聖さんはお仕事?それとも誰かとデートかも……婚約中は誠実であると約束していたけれど、本気なのかわからない。


琉聖さんが女性とデートしていると考えただけで嫌な気分になることに気づく。


私……嫉妬してる?二回しか会ったことがないのに?昨日……寝たから……そう思うんだ……。


自分の部屋でテレビを見たり、本を読んだりしてしていても琉聖さんをすぐに思い出してしまう。


これって、恋する気分なの……?それとも独占欲?


大きくため息を吐くと、私は睡眠に逃げた。



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