恋愛、友情。ときどき涙。2
「……海斗はさ、」
……おもむろに空が口を開く。
「海斗は……どっちの心配してんの?」
「どっちって……」
「矢崎?それとも沢木?」
「んなの……両方に決まってんだろ」
変なこと聞くなよ。
そう思ったけど、空は引き下がらない。
「本当のとこはどっちなんだよ」
「はぁ?」
意味分かんねぇ……。
俺が思わず顔をしかめても、空は更に突っ込んでくる。
「本当は今……どっちに傾いてるわけ?」
「っ………!!」
……空がまっすぐ俺の目を見る。
……俺はすぐには何も言えない。
しばらくじっと俺の目を見た後……俺が何も答えないと分かると、空は小さく息を吐いた。
「……悪いな。
こんな教室でする話じゃなかったな」
「………………」
「……だけど、今のお前……お前らしくないよ」
……分かってる。
……分かってるよ。
んなこと……自分でも分かってんだよ……。