リア恋DASH!

だから…

ちょ、ちょっと

どこまで行くの…

羽鳥は無言で、あたしをズンズン引っ張って

学校の門を出る勢い。


「羽鳥!ごめんごめんて!

 止まって止まってってば!」


「あ…ああ」

あたしの言葉を聞いて我に返ったように止まった。


「どこ行くの?」


「考えてなかった…」


「はあ?何それ?

 怒り過ぎておかしくなっちゃった?」


「ああ、そこ!そこ座って」


駐車場のロータリーの縁石

先生が帰るまでは人の気配はないけど…


「ごめん今日は、変なことばっか言っちゃって…


 あんなこと大きな声で言ったら怒って当然だよね…



 ごめんね?

 悪気はなくて…」




「……」




こ、怖い、

返事もしてくれないよぉ~




「おこ? 激おこ?」



「怒ってない…」


「いや、怒ってるよ絶対!」


「ああ、もぉっ怒ってないっての!

 ってかむしろチャンスっていうか…

 緊張してんの!」


「え?どう言う?」


「もう、手遅れになるの嫌だから

 5年もうじうじしたまま、

 結局手に入れられなかった、

 そんななヘタレだけど


 けど…


 あんな思いもうたくさんだから。

 だから…


 だからさ…」


「羽鳥?」


羽鳥は、ザザっとあたしの前に跪いて片手を差し出した。


「有川望南さん!俺と付き合ってください」


真剣な目であたしを見上げる












 





< 73 / 88 >

この作品をシェア

pagetop