あなたは笑顔で…
顔を離すと、驚いたような光の顔が目に映った。
「だから、心配しなくても大丈夫よ」
微笑むと光も微笑んだ。
光の笑顔も
温もりも
声も
香りも
全部全部、私の心に刻みつけられた。
忘れることなんて、もうできないわ。
そっと、胸元から小さな鎌を取り出す。
それは私の手の中で変化して、大きくなった。
「そ、して……見る、と…はな、も……しに、がみ、だな…」
そう言って笑う光。
誰だって、これを見ればみんながみんなその目に恐怖を映したのに……
光の目に映るのは、異常だと感じるほどの、私への愛しさ。
「光……」
震える手で光に鎌を振り上げる。
「……俺の、命…華に……あげる、よ」
その鎌を受け入れるかのように、光はその手を広げた。
いつもと同じ……とても、綺麗な笑みで。
「……光の命、私に頂戴?」
私も同じように微笑んで、その手を降り下ろした。