あなたは笑顔で…




……開けてみないと分からないわよね。


恐る恐る箱を開けると……



「これって……」



箱の中からはゴールドのひまわりのネックレスが入っていた。



「どうして、光がこれを……?」



そう思って思い出す。



そういえば、あのときどこからか視線を感じていたわ。


それに見たことのあるようなあの色素の薄い茶色の髪。



「あのとき、光がいたのね……」



くすり、と笑って、私はネックレスを手に取った。


日の光できらり、とネックレスが輝く。



「……こんなもの渡されたら、ますます忘れることなんてできないわ」



光は、覚えていたのかしら…?



『ひまわりって、光に似てるわよね』


『きらきらしてて、明るくて、綺麗で、力強くて、太陽に向かって精一杯伸びているところとか。

光まんまじゃない』




「光は、もう私の心の中に住み着いてるのに…」



抜かり無さすぎよ。


くすくすと笑みがこぼれる。




「さて、私も行かないといけないわね」



ネックレスを着けてそっと立ち上がると、少し肌寒い風が私の頬を撫でた。


見上げると暖かな太陽が輝き、胸元のネックレスが反射した。













―――光



私は光に会えて、苦しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、楽しいこと


人を、好きになること……


たくさんのことを知ったわ。



命を取るその瞬間まで、笑顔だったあなた。



私はあなたを永遠に忘れたりしない。





「永遠に、光を愛してるわ」









Fin.






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