ベイビー、君は僕のもの
「それじゃあ、これからお互いのことをよく知るためってことでさ。今週の土曜日デートしない?」

「へ?! デート?!」

「うん、デート」



戸惑うわたしに、彼はあっさりと頷く。



「だって俺は、紅林さんと早く恋人同士になりたいわけだし。手っ取り早く相手のこと知るには、学校以外の場所で会うのがいいでしょ」

「え、あ、うん……?」

「だからまず、今週の土曜日ね」



話しながら、こんなふうに確信を持って笑われると、わたしはそれ以上何も言えなくなる。

津川くんはそこで、思い出したように自分の制服のポケットからケータイを取り出した。



「とりあえず、連絡先教えて?」

「へ、……うん」



……結構、津川くんって強引な人なのかな……。

そんなことを思いながら、わたしはケータイの赤外線で自分のデータを送信した。
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