恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
「ねぇ、あと3ヶ月でクリスマスだね」

休憩の合間に2人で
手を繋ぎながら横になる。
「はえーよ。今まだ9月だぞ」

「だって待ちきれないんだもんっ。
今までは友達としか過ごせなかったし…」

「泊まりでデートすっか。多分今ならまだ予約取れるだろ」

「あ、温泉行きたーい。
近場だと箱根辺りかなぁ」
「俺でも入れるようなとこがあれば、な」

「そっか…タトゥーしてたんだよね。
ねぇ、見てもいい?」

ナオキくんが袖をまくって腕を見せてくれた。

「これ…入れる時痛くなかった?」

「痛かったよ。何回も吐きそうになった」

「うわ…あたしには無理だな絶対。
痛いの苦手だよぉ」

「入れさせねえよ。内緒で入れたりなんかしたらシバくから」

「うん…入れないよ。ありがと」

「温泉…俺でも入れるとこあるか探しとくわ。
他にリクエストは?」

「ううん、ホントは一緒にいられるならどこだっていい。
これからも、ずっと…」

「あぁ。約束、な」

その言葉を最後に
あたしはゆっくりと夢の中へ落ちていった…
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