恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
最終章 夢見たものは…

2曲目のlove song

「相変わらず、俺が曲作るとバラードになるな…」

「でもあたしは好きだよ、ナオキくんの歌」

「そう言ってくれるのはカナだけだよ。ありがとな」
「また集まって音合わせしないとね。順調に持ち歌増えてきてるし」

「そしたらいよいよライブだな。客集めないと」

「サヤカとマイも呼んでいい?
2人には絶対見て欲しいんだ」

「もちろん。折角の晴れ舞台だしな」

「その為にもボイトレもっと頑張んなきゃ。
まだまだ声量足らないし」
「…なあ、1つ聞いてもいいか?」

「んー?なになに?」

「カナってさ、俺なんかのどこがいいの?」

「…じゃないよ」

「? ごめん、聞こえなかった、もっかい言って」

「なんか、じゃないよ…
あたしは…ナオキくんじゃなきゃ、ダメなんだよ…」

「だからそこが知りたいんだって。もうちょいはっきり教えてくんないか?」

「それ、どうしても言葉で言わなきゃダメ?
急に言われても、うまく伝えらんないよ…」

「わかった。急に変な事聞いて悪かったな」

「…怒ってる?」

「怒ってねーよ」

「嘘。怒ってるんでしょ。
言い方きついもん」

「じゃあ勝手にそう思っとけよ。
バイトあるからまたな」

この時の俺はどうかしてたんだと思う。
柄にもなくこんな事で怒ってなきゃ、きっとあの事件は起こらなかったのかも知れなかったからだ…
< 37 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop