恋花火~あの日、言えなかったコトバ~

雨 のち 永遠の別れ

「あーあ、とうとう降ってきちゃったね」

「うん、予報じゃ晴れだって言ってたのに…」

「カナ、気をつけて行ってきてね。
カード入れ忘れてない?」
「大丈夫、ちゃんと入ってるよ。
それじゃあ行ってくるね」
「うん、ばいばい」

朝、マイと別れてあたしは
ナオキくんの元へ向かう。
クッキーだけじゃ足りないと思ったから

あたしはナオキくんへの想いを
メッセージカードに書き記した。

まだちょっぴり不安な気持ちが残ってるけど

誰よりも優しいナオキくんなら

きっと分かってくれる。

あたしは通い慣れた道を

使い慣れたカバンに

綺麗にラッピングした袋を入れて

1歩1歩 彼の家までの距離を縮めていった。
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