嘘と煙草と君とチョコレート
Tears
車へと向かう途中、
林さんは何も喋らなかった。

何を考えてるか、
それは私が一番分かってる。

・・・というよりむしろ、
私が考え事をさせている。


さっき林さんが出掛ける準備をしてる時、
私は言った。

「結局・・・、はっきりしんかったね。
なんか・・・」


それを聞いた林さんはせかせかと動かしていた手を止めて、
ベッドの上で体操座りをする私へと近付いてきた。

「・・・ね。」

林さんはただ一言呟くと、
悲しい顔で笑って私の頭を撫でた。
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