嘘と煙草と君とチョコレート
重苦しい空気が車内を包む。

時々聞こえる林さんの溜め息が苦しくて、
私はただ、流れ行く景色を見ていた。

林さんの出す"答え"が容易に予想できてしまう今、
何か言葉を発すればきっと泣いてしまう。


泣きたくない。

泣くのはずるい。

最後には笑って別れるんだ。

"あなたを好きになって、本当によかった"と。


頭では分かっているのに体は正直で、
どんどん涙が溢れ出した。
< 375 / 380 >

この作品をシェア

pagetop