東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
鞘から抜いた大太刀の剣先を地面に突き刺して詠唱を唱え始めた。
「・・・」
安倍家に伝わる晴明紋に似た銀色の文様が地面に浮かび上がる。
「…鵺…お前は言の葉は我(ワレ)が理解する…だから…我に魂を委ね…成仏せよ…」
鵺が持っていた殺気を含んだ気圧が次第に消えていく。
眩い輝かしい文様の銀の光に鵺の姿は飲み込まれた。
俺は一歩も動けず…その光景を見つめるだけだった。
「…哀れなもんだな。現代に生きていれば…ヤツの思想も一つの思想として…確立したいたはずだ」
「…貴様は…樋川だよな」
「…少佐の力では蒼い月の力の備わった鵺を退治する事は出来なかった…」
「・・・」
安倍家に伝わる晴明紋に似た銀色の文様が地面に浮かび上がる。
「…鵺…お前は言の葉は我(ワレ)が理解する…だから…我に魂を委ね…成仏せよ…」
鵺が持っていた殺気を含んだ気圧が次第に消えていく。
眩い輝かしい文様の銀の光に鵺の姿は飲み込まれた。
俺は一歩も動けず…その光景を見つめるだけだった。
「…哀れなもんだな。現代に生きていれば…ヤツの思想も一つの思想として…確立したいたはずだ」
「…貴様は…樋川だよな」
「…少佐の力では蒼い月の力の備わった鵺を退治する事は出来なかった…」