東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「…ふん…俺はずっと…母上の素性など知らずぬ育って来た…陰陽師の血筋とは言え…非力だ。しかし、貴様の手柄を己の手柄にする…そんな卑しい者ではない。俺に全てを教えてくれ!樋川…貴様は何者だ?安倍家の紋を操れるんだ…貴様も安倍家の者か?」



「俺は…」


「何だ…助けに来てやったのに…封印した後か・・・」


俺の目の前にもう一人の男が現れた。

海軍将校の軍服と同じ白の制服。



「「「!!?」」」





池の水が急に竜巻のように空高く舞い上がる。



激しい轟音を立てた水しぶきに俺たち3人は巻き込まれた。
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