東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
12年前も私はそうやって…海里に告白した。



でも、海里は私をフッた。



「…俺は千愛ちゃんのキモチには応えらない」と・・・
当時、私は10歳のお子様だったし、17歳の海里の恋愛対象になるには厳しかった。

だから、フラれたんだと思っていた。


「…また…君は俺に同じ事を言わせるんだな…俺は君のキモチには応えらない」


「どうして?私はこの通り…今は22歳の女よ…あの時と違う…」



「大声出さないで…人が見る…」


「…どうしても…ダメ?」


「…俺は君のお父さんには世話になっているし…栗原さんの娘である君に手を出すつもりはない…相談がないなら、俺は会場に戻る…」



「・・・」









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