東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
温泉から戻った部屋の座卓には豪華な夕食が並んでいた。



「はい、征史さん」



千愛さんが俺の盃に徳利の酒を注ぐ。



「…千愛さんも飲むか?」



「いただきます」


俺は千愛さんの盃に酌をした。


互いに盃を交わし、二人だけの夜の宴に乾杯した。




「…美味しい…やはり熱海は海の幸の宝庫だな」



「気に入ってくれて嬉しいわ…」



「…千愛さんは信じられないかもしれないが…海里は俺の生まれ変わりだ…そして千愛さんは椿の生まれ変わり」



「えっ!?」

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