東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「…この屋敷全体が…借金のカタにとられるぞ…」



「えっ!?」



「…心当たりはないのか?」



「心当たり…ですか?」



「たとえば…使用人が辞めていくとか」



「・・・」



使用人たちはみんな事情を把握して、里に帰ってる?


知らないのは…私だけ?



「心当たりはあるようだな」



「今の間に一つくらい…頂いて帰っても…わかるまいな」



「ま、待ってください!!」


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