東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「気づかぬのか?胸許を見ろっ!!」



「…え、あ」


私は胸許に視線を落とした。




「きゃあ~っ!!」



私は肌蹴た着物の袂から胸の谷間が露わになっている事に気づいた。


征史さんに背を向けて着物の着くずれを直す。



「…まるで俺が…着物を乱れさせたような叫びだな…貴様の寝相が悪いから…そうなるんだ…」



「今度から気を付けます…」



「気を付けろ…俺が貞操を奪っても…それは貴様の緩い貞操観念のせいだからな…貴様もさっさと支度を済ませて…食間に来い」



「わかりました…征史さん」









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