東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「成宮と二人だと…朝食が進まないので…俺が許可しました。定子さん」

征史さんは私を優しく庇ってくれた。

私は彼の行動に胸を弾ませ、早鐘を打たせる。

「征史…さん?そうなの…」



「…二人でも無視して食べているクセに…良く言うぜ…まぁ、そう言う事だ。定子さん」




「わかりました…」



定子さんは一礼して、食間を出て行った。




「…征史さん…ありがとうございます」



「!?」



「私を庇ってくれたのですよね」



「庇う?別に…朝から定子さんの甲高い声の説教を訊きたくなかっただけだ」






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