東京ロマネスク～冷酷な将校の殉愛～《完》

「え、あ////」


私の頬が急激に赤くなっていく。



「いい反応だよ。椿ちゃん」



「貴様…俺の妻を親しげに呼ぶな！！」


征史さんは軍刀の柄に右手をかけた。



「征史様…おやめ下さい！！成宮様もおふざけが過ぎますよ」



「…俺は独身だから…腹が立つんだよ…まぁ、俺が悪いし…謝るよ…すまん。御堂」



「…演習では貴様の性根叩き直してやる！！」



「はいはい」



「はいは一度でいい…それに間を伸ばすな…何度言った…分かるんだ？成宮」


成宮さんは車寄せに停めていた自動車の後部座席に乗り込んでしまった。


「ではいってきます。若奥様」



「あ、はい」

通さんは二人を上手く仲直りさせて、運転席へと乗り込んだ。