東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
秋はお父様の住む鎌倉の別荘の使用人になった。


秋自身は私に付いて行きたいと強く願ったけど。
身体の不自由なお父様が心配な私は秋にお父様のお世話を頼んだ。



天井まで続く全面硝子。



「…外の庭園が曇り一つなく綺麗に見えるように磨いてちょうだい」


「はい」



征史さんを見送れば、大好きな書物を読み、蓄音機で気に入った音楽を訊く。


3時のティータイムがあって…帰宅した征史さんと夕食。



そんな毎日を想像していた。



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