東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》
「お義母さん…私…」



「貴方があの心の優しい清史に吹き込んだのね…何て女なのっ!」



「私は何も…」




「…清史が私に反抗的な態度を取るなんて何かの間違い…間違いよ…」


定子さんは自身に言い聞かせるように何度も同じ言葉を繰り返す。




私を置いて踵を返した。




応接間に一人残された私は自身で磨いて透き通るように綺麗になった硝子越しから洋風庭園を見つめた。




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