神竜Ⅰ






何か食い物でも無いかな、とキッチンに向
かったら『湊へ』って母さんの字で書かれ
た手紙が置いてあった。




俺はイヤな予感がして中身をすぐに見た。



手紙の内容は、父さんの浮気が原因で母さんが家出するって事だった。




父さんは毎日遊んでいて、帰ってくるたび女物の香水のにおいがした。



そんな父さんが俺は嫌いだったけど母さんはギリギリまで我慢して、もう限界だったみたい。




馬鹿だな俺…何で気付いてあげられなかったんだよ。




そんなとき父さんが帰ってきて言ったんだ。



『やっと邪魔な女が出て行った』って。



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