上々、花日和


「ハナちゃんありがと。片付けまでお願いしちゃって」

「大丈夫ですよ」

部屋の照明はオレンジ色。
私のアパートは蛍光灯だから、この家のオレンジ色の照明は新鮮だ。

「さてと、今夜はどうする?」

「えっ…いえっ…」

「あっ、ああ、そうじゃなくて」

今夜はどうするって、そっちのことを考えてしまう。

「ワイキキのホテルに戻る?疲れたでしょ?」

ああ!そっちの話ね。
ホッとしたような、そうじゃないような…

「あ、それで今日はお酒飲んでない…?」

「うーん、飲みたかったけど、ハナちゃんが帰りたいって思ってたら運転しないとダメでしょ?」

私を気遣って飲まなかったのなら申し訳なく思う。

「あー、えっとービールはまだ残っていますよ」

ビールの在庫状況を知らせてどうする。
いや、そう言うってことはここに留まりたいって言ってるようなもんじゃないのか。

うだうだと自分と会話をしていると、

「じゃあ、飲んでもいい?寝室は別にあるから大丈夫だよ」

「いや、そういう意味じゃなくてっ」

「飲もーう!」


ニコリと眩いくらいの笑顔に持っていかれそうになるじゃあないか。
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