SS男子の落とし方
「んじゃあ!
私、帰るね!」


逃げたくて逃げたくて仕方ない。



「ちょっと待って、菅原さん。」


自分のポケットを探る椎谷君。


「これ要らないの??」


そう言って出されたのは見覚えのある携帯。


椎谷君の登場で忘れてたけど、さっきまで探してた物。



「菅原芽依さん?」


フルネームで私を呼び、目の前で携帯を揺らす。



バッと携帯を奪い、彼を見る。


「あれ?泣いちゃう??」


ジロジロ私を見ながら笑う。


やっぱりデマじゃない...

小さな願いが消えてゆく。



「さようなら!!」


私は教室を飛び出したー

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