SS男子の落とし方
「ねぇ芽依ちゃん。
さっき、ここに来たことあるか聞いたの覚えてる?」


コクンと頷いた。


「ここね、俺がサッくんに教えてあげたんだ。」


店内を見回しながら、嬉しそうに晋也さんが言った。



「『女が喜びそうな店教えろ』って、初めてサッくんにお願いされたんだけど、芽依ちゃんの為だったんだねー。」


「そうなんですか?」


「うん。
サッくんが女の子のことで相談してくるなんてね。」


晋也さんのふんわり笑う仕草も咲也君にそっくりだった。


「もう少し、咲也君と向き合ってみます。」


真っ直ぐに晋也さんの目を見た。

「頑張って!
今日は奢ってあげる。」


その日は、晋也さんと連絡先を交換してから別れた。
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