SS男子の落とし方

寒くなりました。

「寒っ...」

学校を出ると冷たい風が吹き抜けた。


「もう11月か...早いな。」

隣で咲也君ブルっと震えた。


「ん。」

当たり前のように咲也君が右手を出す。


「...こういうこと?」


その手の上に左手を置くと、ぎゅっと握り締められた。


「見せつけるため?」

咲也君と手を繋いで帰っていると、コソコソと噂された。


「それもあるけど、1番の理由は寒いから。」


「だったら、ポケットに突っ込んだ方が良いんじゃない?」


あ...

恥ずかしさもあって、つい言わなくても良いことを言ってしまった。
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