SS男子の落とし方

ホワイトデーでした。

シーンとした校庭。

咲きかけの桜。

体育館からは
校歌の伴奏が微かに聞こえる。


そんな光景を教室の窓からぼーっと眺めていた。


「全然、来ない。」


3月14日は私の学校の卒業式。
そして、ホワイトデー。


私の学校もホワイトデーに卒業式をしなくても...


そんなことを思いながら、もう一度教室の時計を見た。


「まさかの遅刻30分越え...」

溜息をついて、自分の席に座った。


卒業式に出席者以外は休校の為、教室どころか校舎内ですら人気がない。


「早起きして損した。」


机の上にうつ伏せになって、咲也君を待つことにした。
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