SS男子の落とし方
「大丈夫か?」

待ち合わせ場所の映画館前で待っていると、珍しく時間通りに来た咲也君に、余りに顔色が悪かったのか早々に訊かれた。

昨日は勿論、寝れなかった。

メイクで上手く隠せたと思ったんだけど。


「何が?大丈夫だよ?」


「いつにも増して可愛くない。」


スッと私の前髪を上げて、顔を見る。

うわぁ...言い方は置いといて、咲也君が心配してくれてる!

どんどん申し訳なくなってくるよ。


「あはは。
緊張してあんまり眠れなかったからかも!」


「小学生かよ。
上映中にイビキかいて寝たりすんなよ。」


咲也君が見たい映画のチケットを買って、映画館に入った—
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