嘘と微熱と甘い罠
吐くわ脱ぐわの迷惑極まりないお姫様。
そんな姫がどこにいるんだーっ!!
どうしようもないにも程があるし!!
相良に合わせる顔がないっ!!
また頭からタオルケットを被ろうか。
それともこのままここから逃げ出そうか。
でも下着姿で逃げ出すなんて。
悪態に悪態を重ね塗りするようなもんだ。
…どうしよーう!!
自分が次に起こす行動がどれが正解なのか。
わからなくて頭を抱える私の額に。
ピシッと、痛みが走った。
「痛っ!!」
「迷惑料だと思え」
「なにそれ!!」
「誰が酔っぱらったお前を介抱してやったと思ってんだ?…お・ひ・め・さ・ま」
「…っ!!」
意地悪そうに口角を持ち上げる相良に。
私は何も言えなかった。