嘘と微熱と甘い罠
チュッ、チュッ…と小さな音をたてながら、耳元から首筋へと這う柔らかい感触。
服の裾から侵入を許した相良の手は、腰やらお腹やらを撫でる。
そして。
その手は下着越しに私の胸に触れた。
やわやわと動く相良の手は、私に焦れったい刺激しか与えてはくれない。
でも身体はその続きを期待して、無意識に揺れる。
「…ん…ッ…」
「…こっちも?」
閉じかけた脚の間に、相良は自身の膝を差し込んできた。
…だけじゃなく。
その膝を脚の付け根にあててきた。
「ちょ…ッ…やぁ…んッ…」
「ヤバいな、仕事しなきゃなんねぇのに」
「だっ、たら…止め…ッ…」
「身体は“止めて”なんて言ってねぇよ?」
耳を通る声はさっきまでとは全然違う。
意地悪だけど、甘くてドキドキさせられて。
布越しの刺激は焦れったくて、もどかしくて。
相良がくれるものを“もっと、もっと”とねだりたくなる。