生きたくなんてなかった
おばあちゃんになるまで生きる
なんて言っていた紀本
だけど、それを現実にすることはほとんど不可能に近いところまで来ていた。
それでも生きようとする強い意思が紀本をこの世に繋ぎ止めている。
「明日、二人ともバイト休みだし
紀本のとこ行くだろ、そのときに言うよ」
今度は要人がポツッともらした。
「俺もそうするわ」
返事を返し、テレビを消す。
「柚困るかな」
「そら困るだろ」
くだらないようで、結構真剣に話して笑う
期限が近づいてくるにつれてこんな会話をすることが多くなってきた。
「明日に向けて寝るか」
「あぁ」