[短編]美容師だって恋をする
カイくんにフラれて・・・

私は仕事にも集中できた。

カイくんのために頑張っていた自分

でも、空回りばかり・・・

そうだよね。るみの彼氏となっていったカイくん・・・

2人を見ていて

悔しかったけど、まだ好きで・・・

「もしかしたら・・・」なんて

カイくんが振り向いてくれることを心のどこかに期待して

私は、頑張ってきた。

ショーの当日

あんなふうに抱きしめられたけど

それは・・・

最高のフラれ方だったよ。

せっかく頑張ってきたのに、

「おめでとう」でもなく

「綺麗だね」でもなく・・・



「一人でも頑張って。」って

一人にされた私。

クールすぎるその言葉に

私はとめどない怒りと

でも、やっぱり一人なんだ。って

気が引き締まる思い。



そう、舞台の上では

一人のモデルとして

責任をもって輝かなければいけない。

「選ばれる」って

それだけの期待や夢を託される。

そして、るみって良きライバルには負けてはいけないのだ。

あの時は緊張感が切れて

ただ号泣してしまったけど、

カイくんときちんと終われた。

自分の気持ちがまた前へと私を走らせた。




ショーが終わってからも

るみとの仕事は増えていく。

プレッシャーに負けまいと精一杯るみに着いて行った。

でも、現場では、るみのほうがメインで

私は、その引き立て役にしか過ぎない・・・

「ずっとこのままなのかな・・・」ふと、やり場のない気持ち。


でも

るみもまた

カイくんに大失恋してしまう事態が・・・



「まさかね。」



るみとカイくんの破局は

結構な話題となっていた。





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