お前は僕の所有物…【BL】
千沙斗sideー

会社を継ぐ為に日本に帰ってきた…
薫君と千佳花を離すのも成功した…
問題は千佳花に真実を話すことだ…

千佳花は今、薫君が目の前から消えて
困惑しているに違いない…

かと言って、俺が真実を話したら

どうして僕と薫を離す必要があったんだ
と言うかもしれない。

時間が必要だ…
互いが友達だった頃に戻るまでの時間が

「薫君…」
「はい?」
「実はまだ納得してないだろう?
ちゃんと理由を言おうか?」

「そうですね…
でも千佳花を利用していたかもしれないと自覚はあるんです…
もしかしたら…千佳花を傷つけて分かれるかもしれなかったんですよね…

そう思うと、
理由がどうであれ
今別れた方がいいですよ」

なんて話がわかる子なんだ…


でも君達を見てると
思い出す絵本があるな…

泣いた赤鬼って話…

自分を犠牲にして
赤鬼と村人に信頼を芽生えさせる話。

あれはどうも好きにはなれなかったな…

赤鬼(千佳花)を思って
自らが犠牲になる青鬼(薫君)…

どっちも悲しい結末だよね…
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