最愛HONEY



――……

―――――……




「すごい偶然だと思わない?こういうことってあるんだねぇ」


1日の終わり。

ゆっくりお風呂に入って、疲れを落として…

鏡の前で、肌のお手入れをしながら。


私は今日の出来事を“報告”中。


「去年、こっちに戻って来たんだって。」

「ふぅん…。」

「家もね、すぐ近くなの。今は、両親ともうまくやってるって言ってた。」

「へぇ…。」


……もうっ。

相槌は打ってくれてるけどさぁ、話は全然聞いてないよね?

雑誌に釘付けになってるの、鏡にばっちり映ってるんだからね。


「他のみんなも元気みたいなの。あ、今度集まることになったんだけど…行ってもいい?」


くるっと振り向けば…


「……なんで、寝ちゃうかなぁ?」



さっきまで開いていた雑誌を顔に被せて…

ベットに横たわって、龍ちゃんはすっかり“お休み”モードだ。

むーっ。



「ちゃんと聞いてよぉ。」

「……。」

「龍ちゃんが聞いてきたんでしょ?だったら…「俺は」


雑誌の下から聞こえたのは、明らかに不機嫌な声。


「帰りが遅くなった理由を聞いただけだよ。別に“ヤマト”のことは聞いてない。」


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