最愛HONEY



昨夜――

ヤマトとは、いっぱい話をした。


あの頃のこととか。
今までのこととか…

自分の話はもちろん、
“仲間”の近況とかも、知ってる限り全部を話してくれたヤマト。


すっごく楽しかった。


でも…

私は自分のことはほとんど話せなかった。


みんなと別れてからの…この5年間にあった出来事について、

本当はすごく聞いてもらいたかったんだけど…


仕方ない、か。

その話題に触れたら最後。

私、絶対にバラしちゃうもんなぁ。


私は“結婚”してて、その相手は――



「あ、塾長!」


……んっ?

聞こえて来た単語に、ぼーっとしていた私の意識は即座に回復。


「ちょうどよかった。本社から急ぎのFAX来てますよ?」


それは、同じ事務バイトの赤城(アカギ)さんの声。

見れば、FAX片手に事務室の奥へ…



「ああ、ありがとう。」



それを受け取ったのは、もちろん…


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