君に奏でる夜想曲【Ansyalシリーズ『星空と君の手』外伝】







翌朝、ベッドの中で覚醒した私は
昨日の意識が落ちるまでの出来事を振り返ってた。




……最低……。




相変わらず自分を責める言葉は、
すぐに思いついて、罪悪感だけは増えていく。


だけど……その中に、
自分が納得させられる要因があるかと言われれば
そんなもの何も存在しない。


どれだけ責めても、どれだけ自分を追いつめても
私自身の、罪から心が許される瞬間なんて何処にも存在しない。



何時もなら……吐き出さずに
我慢できたはずなの。


誰にも知られず、ずっと心の内を隠し通せてた。


なのに……このところ、
私は自分で自分の気持ちが制御で来てない。



そう……同室に、
年下の主治医の息子・託実くんが入って来てから。



どうして……?



この子も仲良くなってもすぐに退院していく子。


目の前に居る子は、手術をしたら必ず治るって
ちゃんとわかってる子。


私と同じ世界に存在してるわけじゃないのに、
どうして……こんなにも気になるの?


ベッド越しに、チラチラと
向かい側のこんもりとなった山を意識して見つめる。



心の中は罪悪感でいっぱいなのに、
発作の次の日で、体も辛いはずなのに……
その、こんもりとした山を見つめてる間に
心が穏やかになっていく私が存在した。

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