花と雨の恋物語【短】
「じゃあ・・・・・。俺と花さんは、同じってことになるよ。俺も“花”なんでしょ?一緒じゃん」
なんでだろ・・・、花さんといると自然とこんな言葉までも言えてしまう。
普段なら恥ずかしすぎて言えないよ、こんなこと。
「ほんと・・・面白い人。」
また、花さんは笑った。
あぁ、この笑顔・・・独り占めできないかな。
「はいはいはいは~~~~い!!」
俺と花さんのふわふわした時間を、一人の男によって簡単に引き裂かれた。
・・・・そう、永山だ。
「秀人きゅんが、急にいなくなるから~。必死に探しちゃった♪その子はだ~れ??」
興味津々に花さんを見つめる。
「はぁ。お前には教えてやらない」
それは、俺の素直な気持ちだった。
こいつに花さんを教えてもロクなことにはならんだろう。
絶対冷やかされる、後で。