花と雨の恋物語【短】
今日の合コンは、彼女をつくる良い機会なのかもしれない。
ちょっとは向き合ってみるのも悪くない・・よな。
「ううん。いないよ。」
「マジ!!良かった~なんて(笑)じゃあ私、頑張ってもいいかな!?アドレス交換してもらっていい?」
「あー・・、うん。いいよ」
「ホントに!!秀人君のアドレスゲットできるなんて思ってもみなかった!実は私、秀人君が
参加するって言うから、私も参加したんだ♪」
そう言ってくれる彼女の気持ちが、正直嬉しかった。
俺なんて、なんの取柄のないやつなのに。
そう思いながら、俺は向いの本屋にふと目をやった。
「あっ・・・・・」
買ったばかりの本を、大事そうにかかえながら歩いている彼女が目にとまった。
それは紛れもない、“あの子”だった。