王子様と恋したい
「はぁ……」
ため息しか出ない。
わたしは只今理事長室に向かっている。
それにしてもこの学校は無駄に広い。
ヤンキー校で有名だから、もっと荒れてるイメージだったけど予想外に綺麗で立派だった。
いきなり男子校とか、正直不安だ。
だけど、かず兄には心配かけたくない。
10歳の時に両親を失ってから親代わりとしてわたしを守ってくれた。
だからわたしは、今までやってこれたんだ。
入試の前のあの時も…かず兄が支えてくれたから頑張れた。
わたしにとってかず兄は、ただ一人の家族でただ一人の信頼できる兄なんだ。
シスコンは正直うざいけどね。