王子様と恋したい
_ピピピピピッ
無機質な電子音が聞こえ、咄嗟に潤も腕を離した。
わたしの携帯の着信音だった。
画面に出された番号は…知らない番号だ
。
不思議に思いながらも携帯の通話ボタンを静かに押す。
ピッ
「もしも『コラァァァァァァ!!!!!!!!お前どこいんだよ⁈⁈⁈⁈』
馬鹿でかい声に思わず耳から携帯を離す。潤にも丸聞こえで少し驚いてるようだった。
「その声は…優か…どうしたの?」
そんな馬鹿でかい声を出して…
鼓膜破れる。
「はぁ⁈どうしたの〜?じゃねーよ!!!!どんだけ探したと思ってんだよ!無断でサボりやがって!!!!!」
な、なるほど…
わたしは相当、5人に迷惑をかけちゃったみたいだ…
でもさ、、
「別にほっといても大丈夫なのに…」
わたしはそんなヤワじゃないしね。
「…チッ…お前なぁ…お前はもう俺たちの仲間なんだよ!!心配するしほっとくわけねぇだろ!!!!!」
あぁ。わたしはなんて幸せなんだろう。
こんなに優しい仲間が沢山いる…
「…ッ…ごめん…」
隣りで全部会話が聞こえたらしい潤が優しく微笑んでくれている。
"よかったね"
口パクで言いながらわたしの頭をポンポンと撫でる。
ヒョイ
すると次の瞬間、わたしの手には携帯がなくて…かわりに潤の手に携帯があった。
「あ〜。もしもし~?」
潤が声を出した瞬間、舌打ちと共に不機嫌な声が聞こえた。
「あ"ぁ⁈お前誰だよ。」
そして受話器の向こう側から、誰⁈なっちゃんなにされてんの⁈と騒ぎ出す他の4人の声が聞こえた。
どうやら龍炎の5人が会話を聞いてるらしい…