唇が、覚えてるから

「わー、すっごいい天気!」


朝の雨で出来た水たまりが、太陽の光に反射してキラキラ光っている。


「テルテル坊主、ご利益あったな」

「違う違う、私が晴れ女なんだもん!きっと私のおかげだよ」


私がピースすると、悔しそうな顔を見せる祐樹。

そんな顔も、新たな発見。


「そうだそうだ。長旅といえばコレだよね」


私はパンパンに膨れた鞄からお菓子を取り出した。


「遠足かよっ!」


初めは呆れたように言った祐樹だったけど


「こういうお菓子懐かしいなー」


10円菓子や30円菓子のオンパレードに目を輝かせた。


「でしょー?遠足ならではだよね」


お菓子を買っていこうと昨日の帰りに寄ったお店に駄菓子コーナーがあって、つい懐かしく買ってしまったんだ。

祐樹も懐かしかったのか、次から次へと袋を開けて口へ放り込む。

その姿が子供みたいでなんだか笑える。
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