お父さんの彼女なんかに取られてたまるかっ!!(仮)


「もっ……もしもし?」

『あ、もしもしぃ? 咲華ぁ?』


 んげぇー!!

 昨日聞いたばかりの高い声が、耳に響いてくる。


「アンタ、まさか……真矢ぁ!?」

『ピンポーン。大正解ですわぁ』


 やば。出なきゃ良かったぁ。


「て、ていうか、何で私の番号を知ってんの!?」

『んふ。もちろん、旬から聞いたのよぉ』


 だよね。お父さんしかいないか。

 もーうっ! あんなヤツに勝手に教えるなんてっ!

 私が無視したことと、日の丸弁当に対しての仕返し!?

 こんのヤロォー!

 と、ガラケーを真っ二つにしてしまう寸前のところで、ハッと正気に返った。

 あぶなっ。さすがにこれを真っ二つにするのはマズい。教科書とは違うんだから。

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