お父さんの彼女なんかに取られてたまるかっ!!(仮)
「と、ところで、アンタ秋高に何しに来たの!?」
『……あらぁ? ワタクシが来てることをご存知ってことは、まだ学校にいらっしゃるのね。良かったですわぁ』
「はっ!」
私のバカ。これじゃあ隠れた意味ないじゃん。学校にいるのがバレバレだし。
『どこにいらっしゃるのかしら。今、ワタクシ外にいますの。ベランダから顔を出して下さらなぁい?』
「嫌っ。どこにいるかも教えないし、顔も出してやんない!」
『あらそう。なら、あなたの名前を呼びながら、校内中探し回りますけど……それでもよろしいかしら?』
「や、やめてよ、そんなことすんの! よろしくないに決まってんでしょ!」
冗談に聞こえないのが怖い。
『それなら顔を出して下さらなぁい?』
「わ……わかったよ。出せばいいんでしょ、出せばっ!」
何で私が、あんなヤツの言うこと聞かなきゃいけないの? 腹立つぅ……。
仕方なく私は、イライラしながら立ち上がり、真矢に見えるようにベランダから顔を出した。