お父さんの彼女なんかに取られてたまるかっ!!(仮)
「しっかしさぁ、咲華の父ちゃんを通じて知り合ったんだったら、オレにも教えてくれたっていいじゃねぇかよ。お前も稼月も、ずりぃよなぁ」
「それは、昨日偶然出会っただけだったし、言うほどでもないじゃん」
と、カッシーにはそういうことにしている。
お父さんからも『真矢とのことは、まだ他の人には言わないでくれ』とか頼まれたけど……頼まれなくたって、アイツがお父さんの彼女だなんて言いたくないし。
早いところ、私が抹消しておかないと。
「昨日出会ったばかりにしては、ずいぶんとお前になついてるじゃんか。学校にまで来てさ」
「なついてるとは……また違うと思うけど」
真矢はただ、私からお父さんを取るために近づいてるだけなのよ。なついてるなんて、可愛いもんじゃない。
「お前ってさ、男にはモテないけど、女にモテるところあるよな?」
「だから、別にモテてるワケじゃないんだって、アレはっ」
と、真矢を指差しながら否定した。
けどカッシーの言うとおり、女子の種類によって、私に対しての好き嫌いがハッキリとしてるんだよね。
うーん。それっていいのか、悪いのか……。