お父さんの彼女なんかに取られてたまるかっ!!(仮)


「――へぇ。もう仲良くなったんだ」


 コンソラトゥールの店員兼、私の馴染みであるカツは、クールな顔で絶対にありえないことをボソッと呟いてきた。

 私と真矢が向かい合って座っているのを見たからだ。


「そんなわけないでしょ! 連れて来られただけですぅ!」

「だろうな。互いの表情に温度差があるもんな」


 真矢はニッコニコ、私はムッカムカしてるのが表に出まくってるもんね。


「フフフッ。稼月君がここで働いてるって旬からお聞きしましたのよー。
 その緑の帆布のエプロン、とてもお似合いですわー。さぞ、おモテになるのでしょうねー」

「全然」


 カツ、えらい。この真矢に対して素っ気ない態度。さすがクールなだけある。

 このとおり、ここコンソラトゥール・通称コンソラは、カツのバイト先なんだよね。

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