お父さんの彼女なんかに取られてたまるかっ!!(仮)
「いいよ、やってやろうじゃんか!」
「おい咲華、マジかよ」
「まぁー、受けて下さるのぉ?」
だから、嬉しそうにすんなって!
「その代わり、私が呼ばなかったらお父さんのことは諦めてよね!」
「もちろんですわー。んふふ、これから楽しくなりそうねぇー」
何コイツ、自信満々じゃん。まさか、本気で私から『お母さん』って呼ばせるつもり?
これだから世間知らずのお嬢様は。
「お前、大丈夫かよ」
「もう、カツ大丈夫だってば。絶対に呼んだりしないって」
「どうだか」
またそうやって疑いの目で見るー。
「あら、確かにコーヒー美味しいですわね。んふふー」
真矢。そうやって余裕こいてられるのも今のうちだよ。
私が世間の厳しさを思い知らせてやるっ!
気合い入れで、目の前に置かれたロイヤルミルクティーをふんだくるように手に取り、ストローで一気に吸い上げた。
