YUKI˚*









「ねー須嶋くーん」



「んー?」



「なんでいきなり海ー?!」




須嶋くんの腰に腕を巻き付けて


背中にはぴったりと顔をくっ付けて




それでもすごい風が前から来て



須嶋くんとバイクで2人乗り


もちろんあたしは後ろだけど




寒い!!!




この真冬にバイクに乗ってるなんて



しかも行き先は海





「もう一回だけ行きたかったんだー。ゆきちゃんと2人で」



夏に



まなみんと川村くんと来たことはあったけど



2人で海に行ったことは無かった




「……そっか」











バイクに乗って20分



夏にまなみんたちと来た



あの海に着いた






「……で、何するの?」



真冬にこんなところに来て




すると須嶋くんは


海に向かって走り出した




「えっ…須嶋くん?!」



そして、


海の中にズバズバ入って行って



須嶋くんの膝まで、水




「うわー!さぶーっ!!!」


「あ…当たり前だよ!何やってんの?!」




あたしも急いで須嶋くんのところへ向かう



海沿いの浜辺ギリギリのところまで行って


そこから須嶋くんに呼びかける




「風邪引いちゃうよ!早くこっちに戻って…



そう言って須嶋くんに手を差し伸べたら



須嶋くんはその手を掴んで





引っ張った




「…きゃっ!」


あたしまで、下半身びしょ濡れ


かなり寒い




「ははっ」


「ははっ、じゃないよ!!めっちゃ寒いじゃん!!!」



あたしがそう言って怒ると




バシャッ



「きゃー!!!」




須嶋くんが海水をあたしにかけてきた







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